私自身が経験したことがちょっと、ほんのちょっとでも誰かの役に立てばと思い、ブログを書いていきたいと思います。
この記事はノウハウって訳ではなく、実体験に基づいた体験談なのであくまで参考程度にしかなりませんが、ちょっとはお役に立てると思います。
今回は金融ブラックリストの私が代表を務める会社(一応株式会社で、資本金は200万)で初めて銀行借り入れをした時にお話をしていきます。
*ブラックリストというのは存在せず、厳密にいうと個人情報機関に事故情報がある人のことです。
ご存知の通り、代表者が金融ブラックリストですと金融機関からの借り入れはまず皆無に等しいのは、前回のリース契約のブログにも書きました。
中小企業、いや零細企業は必ず金融取引があると代表者は個人で連帯保証人にならなければいけません(ない場合もありますが、ほとんど、いや99%は連帯保証人になります。)
この連帯保証人の属性を個人情報機関に問い合わせすると瞬時に金融ブラックリストかどうかの判定がされます。
基本、この時点でOUT!!
最近の金融機関は零細企業向けにカードローンや資金使途が自由な小口ローンをネットで募集しておりますが、私のような金融ブラックリスト者にとってはこの申し込みは瞬時に終わります。
私のような零細企業はビジネスを伸ばすこと、会社を継続させることを考えると金融機関からの借り入れは是非ともしたいところです。しなきゃいけないのです!
がしかし、金融ブラックリストなのでどこの申し込んでも全てNGです。
創業時から3年目くらいまでの借り入れとしては、日本政策金融公庫と保証協会付け融資がスタンダードな会社(ここでは業績に関係なく、金融ブラックリスト以外の法人とします)の融資スタイルになります。
ここで融資が出ないとほぼ諦めた方が良いと思います。
そもそも借り入れしなくても良い会社にするのが一番ですが、なかなかそんな優良企業を作れないのが現実だと思います。
零細企業にとって大手都市銀行(三菱UFJ、みずほ、三井住友銀行)での取引はあまり意味がなく、借り入りをするなら地方銀行や信用金庫が小回りきくので取引するならこれらと取引すべきだと、
大体の資金調達コンサルタントや税理士さんは言いますね。
正直、これは間違えていません!!正解!!
ただ、置かれた状況によります。
業績もある程度順調、代表者の金融履歴も真っさら(普通ですがw)!!
これなら、地方銀行や信用金庫と取引してまずは保証協会付けの融資取引をし、何年かして実績が出てこれば、銀行プロパーの融資もでき、それなりの金額を借り入れできるようになります。
この時点で都市銀行がしゃしゃり出てきて、多額の融資を餌に今まで取引していた地方銀行や信用金庫の取引条件をそっくり持っていってしまいますwww
リスクを取りたくない都市銀行の得意な行動パターンです。
私の立場は『金融ブラックリスト者』というすでにどの枠からも外れている存在。銀行にすら行ってはいけないんじゃないかって思うぐらい断られ続けた存在。
売上金の回収用に三井住友銀行の口座は持っていましたが、融資に関しては全く動きがなかったです(当たり前か??)
しかし、どうしても資金が必要でした!!納品できなくなる・・・
そんな中、一般的な意見に基づき、懲りずに信用金庫に口座開設。
すぐさま融資を検討している旨を伝えつつ、決算書を開示して、いざ申し込み。
銀行員もまさか私がブラックリストとは思っていないので、最初は愛想が良いのですが、個人情報を照会かけた瞬間から人が変わったかのように
無表情!!
わかりやすっ!!
結局、当たり前ですが、日本政策金融公庫も保証協会付け融資もやはりダメでした。
法人3年目、業績は決して悪くなく、決算書も黒字(2年目の売上5,000万、経常利益100万)でしたが代表者の属性が思いっきりネックになります。
10年くらい前なら公庫も保証協会も個人の信用情報は取らない場合もあったので、会社の業績次第でなはなんとか融資できたのですが
今は必ず代表者の個人情報は取ります!!
昔の資金調達支援とかのウェブサイトを見ると、代表者の個人情報は取らないとか書いてありますが、今は無理です。100%取ります。
とは言え、私の仕事は物を作らないとお金になりません。
どうしても先にお金が必要になってきます(中国で製造しているアイテムもあったので、絶対に先払いです!)
しかも2ヶ月後には500万の支出が迫っています。ここで支払いしないと納品できません。けど、資金の目処は立たない。。。
どうにもこうにも策が見当たらず、途方にくれておりました。。。
そんな時です!!
普段は電話で簡単にやりとりをやっている国内で色々お世話になっている工場の社長とアイテムの相談しに工場で打ち合わせをすることに。
久しぶりに顔を見たいのでおいでよってお誘いが。
正直、気分的には誰にも会いたくなかったのですが、なんとなく心の中で『行った方が良い!!』との声が!!
その社長の会社は規模は大きくはないですが、堅実に業績を伸ばしております。銀行取引もバッチリで、銀行から借りてくれといつもお願いされているような会社です。
なんて羨ましいんだと思いながらも、うちもどうにかならないかなと思っていたところ、ちょうどその会社の銀行担当者も別件で工場にやって来ました。
ここが運命の始まりでした!!!
なんと、工場の社長が資金的に困っている私を銀行担当者に紹介し、ぜひ取引をやってくれないかとお願いしてくれました!!!
まじか???社長??いいの???
その時の私の心の声でした。
銀行担当者からすると大口のお客さまの頼みにはいやとは言えません。
しかし、いくら紹介していただいても私の属性は変わりません。。ブラックリストはぴったりとくっついて来ます。
社長のご好意を感じながらも、余計な手間をかけさせてはいけないと思い、現状の自分を包み隠さず伝えました。
すると銀行担当者から意外なお言葉が????
銀行担当者
『社長の属性はわかりました!お話を聞く限り業績は問題ないので、プロパー融資で行きましょう!!!それしか方法はないですね。』
(*プロパー融資というのは、簡単に説明すると銀行が直接融資してくれること。保証協会や保証会社などの保全を立てないで、銀行がリスクを取って融資すること。)
私
『????』
『何を言っているのか???ブラックだぞ俺は!!』
と心の中で思いながらも
銀行担当者
『明日にでも事務所にお伺いしてよろしいでしょうか??
できれば決算書2期分と資金繰り表、受注内容がわかるような書類をご用意できますか?』
私
『すぐに用意します!!!本当に大丈夫ですか??個人の属性は??』
銀行担当者
『確かに昔と違って銀行も規制が厳しいです。しかし、支店長なりに相談すればなんとかなるレベルですよ!
過去のことは過去で仕方ない、今が大事なんですよ。折角の事業を止めるのはもったいないですよ!!地方銀行はそういった企業を応援しないと存在意義がないので』
と笑顔で言ってくれました!
金融機関の人からの言葉がこんなに柔らかく、そして前向きだった言葉を初めて聞きました。
初めて受注が取れた時よりも嬉しかった!!
仕事をしてよかったと本当に思ったものです。
後から銀行員から聞いた話ですが、工場の社長は私の現状をわかっていて私と銀行員を呼んだのです!最初から銀行を紹介するために!
社長と電話で話している時に、
資金的に厳しい
属性が悪く借り入れできない
仕事が回らなくなる。。。等々
後ろ向きの話を自然と口から出ていたそうです。
情けないことに、自分では全く気づいておりませんでした。
事前に銀行に連絡し、状況を説明した上でのご対面だったらしいです!
すごい心遣いの社長だなと今でも本当に感謝で頭が上がりません。今でも助けてもらってます!!
工場の社長にも丁重に何回もお礼を言い、すぐに事務所に戻り書類を作成しました。
もともと大学卒業後に会計事務所で勤務していたので、銀行からの依頼書類を作成するのは全く問題なかったです。
まさかあの時のスキルがこんな時に役にたつとは思わなかったです。
なんでも経験していけば、いずれ役に立つ時がくるのだとしみじみと思いました。
どんな形式でも構いませんので、
・資金繰り表
・受注明細(請け負った仕事の内容がわかるもの)
を作っておくのは、零細企業では必須です!
税理士に任せるのではなく、社長自身で作ることに意義があり、仕事の内容の説明や現状の会社がどうなっているかを冷静に判断できます。
話がそれてしまいましたが、全ての書類を揃えて明日に備えました。
次の日、午前10時に銀行担当者が来社されました。
事務所は狭く、納品予定の商品がダンボールに山積みされており、決して格好の良い環境ではなかったですが、これが逆に仕事が順調に動いている
証拠なんだと銀行担当者の言葉を聞いて思いました。
銀行担当者
『これは何を作っているのですか??すごいですね〜』
私
『〇〇というアーティストのコンサートグッズです、今回はリュックの依頼でして!
まだ表に出せないのですが、こんな商品です!』
銀行担当者
『すごいですね!これで何個の注文ですか?結構な数量ですよね??』
私
『1000個です。中国では少ない生産数ですが、取引している工場は小ロットでもやってくれまして。。クオリティも高いし、良い工場ですよ!』
銀行担当者
『なるほど〜、書類だけではわからない部分がこのダンボールをみてすぐに理解できました!!』
そのほかにも雑談をしながら、他に作った商品を説明したり、今後の事業展開などを話しました。
そして、依頼のあった書類を渡し、その場でいくつか質問を受けましたが、どれも前向きな質問でした。
私は、もしかしたら本当に融資出るかも??と淡い期待を抱いていたところ
銀行担当者
『取り急ぎ、500万の融資でよろしいでしょうか??長期は難しいかもしれませんが
短期で1年以内の返済であれば、すぐに段取りしますが??どうでしょう??』
私
『えっ〜???500万も出していただけるのですか???』
銀行担当者
『そのくらいあれば足りますよね??
初めてのお取引なのでまずはこのくらいの金額からのスタートでいかがでしょうか?』
私
『ぜひお願いします!!!!』
銀行担当者
『では、この条件で進めますね。何かわからないことがあれば連絡しても良いですか?!』
私
『はい、大丈夫です!24時間いつでも連絡つくようにしておきます!』
この日は想像以上にスムーズに行きました。これはうまく行き過ぎだと心の中では思っていたが、今まで苦労して踏ん張ってきたから、神様も助けてくれたのかなあ、なんて楽観的に考えておりました!!
しかし、人生そんな簡単にうまくいくほど甘くはありません。。。。
その後の話は次回にお話します。
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